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今年の1月3日に、聖苑が大混雑してバスの中でご遺族が何時間も待たされるという事態が起きました。その日聖苑に運ばれたご遺体は、31日が友引休業で1日と2日が通常のお正月休みということで休業日が3日間も重なったことで、なんと28体にもなってしまったのです。聖苑の炉室は13炉、二回転してもまだ間に合いません。控え室も16室しかないためにこういう事態が発生してしまいました。「バスの中での長い待ち時間、なんとかならないの?」と、知り合いの葬儀社の方から聞かれて調べてみました。
旭川市の火葬場が、それはそれは立派になって(りっぱになり過ぎたという声もあります)台場から東旭川町倉沼に移転したのは、平成12年のことです。その当時は、13体以上の日は年間で42日間だけでしたが、年々増加し、19年度は79日と約2倍になっています。この傾向は今後も続き、団塊の世代が高齢化する2035年は日本の死亡率が最も高くなると言われています。炉室が13炉、控え室が16室しかない聖苑で、今のように到着順で炉室を使うやり方では待ち時間の解消はできません。
そこで、「この問題を解決するには葬儀社の方々のお知恵を借りるのが一番!」と私は考え、葬儀社や接待業者の方々と担当職員、聖苑の委託業者との意見交換の場を設けることにしました。
聖苑で行われた意見交換会は、予想どおり葬儀社の方々の行政への不信、不満、苦情、時には怒りの爆発の場となりました。葬儀社組合からは「見かけの立派さより実用性を重視してほしい、炉室13に対して収骨室が4つじゃ足りないなど色々と意見を出したのに市は聞き入れず、今のようになってしまった」という開設前に遡っての不満も続出しました。
そうはいっても出来てしまった物を壊して新設したり、増設するだけの財源は今の市にはありません。だからこそ今ある施設を有効活用し、少しでも市民にとって使い勝手の良い聖苑に変えていくために知恵を出し合い、工夫することが必要となります。市側も葬儀社側もめざすところは同じです。話し合いを進めていくうちに何点かの課題が見えてきました。
一、 炉室を利用する順番の決め方を工夫する(今は到着順で随時)
二、 友引の日の稼動を検討する
三、 ロビーを臨時の控え室に切り替える
四、 収骨を炉の前で行うことを検討する
五、 ごみ処理の円滑化を検討する
これらの課題を解決するためには、市も業者もお互いに調整しなければならないことがたくさんあります。それぞれの立場で努力し協議していくことになりました。
今回の聖苑問題から、ほんとうに沢山のことを学ばせていただきました。
そのひとつは「当事者主義」です。当事者は現場に一番近いからこそ、問題点がどこにあるかを知っています。今回の「当事者」は、ご遺族の代わりに葬儀を取り仕切る葬儀社と接待業者、仕出屋さんたちです。その方々のご意見は、時には苦情だったり不満だったりしますが、それこそがより良いサービス提供のためのキーワードであり、その言葉に真摯に耳を傾け、問題解決にあたることが行政に求められています。
もうひとつは、市民と行政との協働です。問題解決にあたっては、行政もがんばるけれど、市民もお役所任せにしないで自分たちで出来ることをやり、お互いに連携協力し合うことで、むずかしいと思われたハードルも越えやすくなるということです。実際、話し合いのあとで、両者がそれぞれの立場で努力することで問題解決に向けて少しずつ動き出し始めました。
システムを変えたり、予算化が必要になることもあるので、すぐに!とはいきませんが、両者が力を合わせることで、近い将来にはバスでの長い待ち時間が解消される日がくることを私は信じています。