カテゴリ

レポート

グラフ旭川 議会珍道中(連載中)

« 第26回 佳境に入った「次期総合計画」づくり〜他 | グラフ旭川 議会珍道中(連載中)のTOPヘ | 第28回 市民の負託に応える行政他 »

第27回 児童虐待防止法改正で何が変わったの?他

日本子ども虐待防止学会(JaSPCAN)in札幌

平成16年10月に「児童虐待防止法」と「児童福祉法」が改正され、虐待防止の新たな時代の幕開けとなる重要なこの時期、日本子ども虐待防止が9月3〜4日にかけて札幌で開催されました。

この学会は、1996年4月に、子ども虐待防止を目指し、医療・保険・福祉・教育・司法・行政などの実践家・研究者によって発足し、現在、全国に約1800名の会員がおり、毎年各地で全国大会を開催しています。

今回は、「Children First―子どもが子どもでいられるために」と題して、汐見稔幸氏(東大大学院教授)の特別講演や虐待防止の先進地であるイギリスからアイリーン・ムンロー氏をお迎えしての国際シンポジウム、加えて50以上もの分科会など盛り沢山の内容でした。参加者も延べで約3000人に上り、児童虐待への関心の高さを表していました。

児童虐待防止法改正で何が変わったの?

今回の法改正で大きく変わったところをかいつまんでご報告します。

まず、何よりも大切なことは、児童虐待が「児童の人権侵害である」と明記されたことです。そのことで、「しつけ」と「虐待」の区別の説明がしやすくなり、親がいくら「しつけ」と言っても子どもの安全確保が最優先であるということがはっきりしました。虐待を受けず育つことは子どもの基本的人権であり、「子どもの権利条約」に批准(国家が国際条約に同意すること)している日本としては当たり前のことです。

今までは、「『虐待を受けた児童』を発見した者は通告しなければならない」となっていましたが、「虐待を受けたと思われる児童」になり、虐待を受けたのではないかと思った時には通告しなければならなくなりました。これで、虐待かどうか確信が持てなくても、疑わしい場合は子どもの安全を第一義に考えて関係機関に通告することが出来るようになりました。

虐待の定義は、身体的虐待・性的虐待・ネグレクト(育児放棄)・心理的虐待ですが、改正後は、同居人が虐待するのを放置することやDV(親密な関係にある者からの暴力)を目撃することも児童虐待の定義に含まれました。私が所属している“ウィメンズネット旭川”が行っているDV被害者へのサポート業務の実態からも、子どもはDVを目撃しているだけでも心に大きな傷を受けることが判っています。しかし、お母さんを保護し自立を支援するのに精一杯で、子どものケアまでなかなか手が回らないのが実状でした。今回の法改正で、DVを目撃した子どもへのケアと支援が充実することを願ってやみません。

次に、単に「虐待者からの保護」だけでなく、被虐待児への「自立支援」が必要であることが明記されました。

虐待は心身共に深刻な発達障害を子どもに与えます。虐待で保護された子どもは、多くの場合、標準より背が低く体重も軽いのが普通です。また精神的にも幼いという特徴を持っています。それ故に、保護された子どもは、安心できる大人の保護の元で育てなおしすることで、基本的信頼感や自尊心を取り戻させることによって自我を発達させ、自立させていかなければなりません。

虐待を受けた子どもの自立には様々な困難が伴うため幅広い支援が必要なので、自治体に「要保護児童地域対策協議会」を設置することが義務づけされました。すでに旭川市ではこれに先立ち一昨年から、児童虐待とDVの関係者会議「子ども女性支援ネットワーク」が設置され、少しずつですが関係機関の連携・協力が進んできています。DVサポートの経験からこのネットワークの必要性をひしひしと感じ、当選直後から取り組んできたことにやっと国も気付き、今回の改正で法に盛り込まれました。

これからもサポート現場からの声を議会に届け政策化していき、旭川を誰にとっても安心、安全なまちにしていきたいと思っています。


平成16年度の通知実績

旭川市家庭児童相談室

虐待の相談・通知受理件数 53件

虐待者別件数(実父・実母6件 実父6件 実父以外9件 実母21件 実母以外3件 その他3 不明5)


北海道児童相談所

虐待の通告件数98件(内、虐待として処理した件数55件)


虐待をみつけたら左記へお知らせください

家庭児童課相談室

第2庁舎1階 25―6418

北海道旭川児童相談所

旭川市10条11丁目 23―8195

このページの先頭へ

Copyright (C) Atsuko kubo All Rights Reserved.