平成18年第定例会 一般質問            
 久保 あつこ

(1)行財政改革推進プログラム
   (ア)第一次の総括と評価
   (イ)策定スケジュール
   (ウ)第二次の基本的な考え方
   (エ)外部評価の導入
(2)財政健全化プラン
   (ア)行財政改革推進プログラムでの位置づけ
   (イ)平成18年度予算から見えてくる今後の見通し
(3)新人材育成基本方針
   (ア)行財政改革推進プログラムでの位置づけ
   (イ)第二次プログラムに盛り込むべき課題
(4)子育て支援担当部長の役割
   (ア)ミッション並びに課題と手法
   (イ)子どもの権利条例
   (ウ)就学前の子どもの課題
   (エ)子ども・女性支援ネットワークに関わる相談体制の再構築
(5)性的少数者の人権に配慮した社会環境の整備
   (ア)「緊急連絡先カード」の利用
   (イ)市営住宅の入居資格の拡大    
   (ウ)性的少数者への理解
   (エ)相談窓口の設置


1回目

 

 先日、夕張市が財政再建団体の申し入れをしたというニュースが報道され、全国に激震が走り、我がまちはだいじょうぶなのだろうかという不安感と行政並びに議会に対する不信感が道民の間に広がっています。この夕張の事例から、私たちは、健全な財政は地方自治の基本であり、健全な財政なくして自治はないということを学びました。そして、財政健全化のためには、財政状況を市民に包み隠さず情報提供し、共有し、市民と共に勇気を持って大胆に改革していかなければならないということも学びました。

私は一貫して、市民への明確な財政状況の情報提供と市民との協働による行財政改革の推進を訴えてきました。また、行財政改革は財政的側面のみで行うべきではなく、少ない行政資源でより良いサービスを市民に提供するための改革でなければならないこと、徹底した行政改革によってのみ結果として財政は健全化するのだということも述べてきました。

現在、旭川市は第1次行財政改革推進プログラムの終了時期を向え、新しい総合計画が目指すまちづくりを達成すべく次期プログラムの策定に入っており、それに伴い財政健全化プランの見直しも進めています。

次期プログラムをどのようなものにするのかによって、旭川市の未来が夕張市のようになっていくのか、または自立した自治体として活力あるまちになっていくのかが問われています。夕張のようになる前に、再度、旭川市の行財政改革についてしっかり検討し、少しでも議員としての役目を果したいという思いで質疑いたします。

 まず、有効で実効性のあるプログラムを立てるためには、今までやってきたことを綿密に総括し、課題や問題点を洗い出し、次ぎに活かすことが大切です。そこで、現行の行財政改革推進プログラムの総括について数点お伺いします。


<質問>
まず始めに、改革のプロセスである「効率的かつ効果的な行政運営・持続可能な財政運営・自治分権型のまちづくりと協働・市役所のスリム化と体質の改善」は、どの程度達成されたのか。達成されたと総括するのなら、その根拠を、未達成のところがあるなら、その原因は何かについて、お答えください。補完性の原理や行政資源の最適化、協働手法の優先化などは、十分に活かされたのかどうか。総括に当って外部評価を入れなかったのはなぜか。結論として目的であった「自立した行財政構造への転換」は果されたのか。
夕張市と比較して、一時借入れの運用など旭川市の財政運営はどうなのか。


<答弁>
 プロセスごとの達成度についてですが、プロセス自体は、個別の取組を進めるに当たっての方向性を示したものであり、それごとの達成度をお答えすることは難しいと考えておりますが、個別の取組項目の状況で申しますと、
例えば指定管理者制度の導入などによるアウトソーシングの拡大、各種補助金の見直し、市民課窓口の開設時間の延長の試行、受益と負担の適正化の取組における使用料・手数料の見直し、外郭団体の自立化の促進、あるいは、職員数の削減による行政のスリム化などについては、一定の効果があったものと考えております。
 次に、補完性の原理などの新たな視点が十分に生かされたかとのご質問ですが、プログラムでは基本的視点として補完性の原理を、また見直しの視点として行政資源配分の最適化、協働手法の優先化を掲げたところであり、実際の取組に当たってもそういった
視点を十分に意識しながら進めてきたものと考えております。
 
 一方、プログラムにおいては国や道などの新たな施策との整合性、あるいは関係団体との調整などのため
現時点で実施出来ていない取組や、一部分の実施に終わっている取組もございますし、結果として予想を上回る税収の落ち込みや、国の構造改革に十分に対応するには至っていない面もありますので、今後の継続的な取組や、更なる行財政改革を進めるため、次期プログラムの策定作業に着手しているところであります。
 なお、プログラムの取組とあわせ、職員給与の独自削減や東京事務所の廃止なども実施したところでありますが、
最終的な進行状況につきましては、現在集約中であり、まとまり次第、公表してまいります。
 また、進行状況に対する市民の意見を把握することは、重要と考えておりますことから、次期プログラムのパブリックコメントに合わせて、これまでの進行状況についても市民の皆さんからの意見をいただき、反映してまいりたいと考えております

 一時借入などの財政運営についてですが、一時借入は、歳出の実際の支払いに当たって、歳入が必ずしも歳出に見合って収入されませんことから、実際の支払いの資金確保のために、金融機関から借り入れるものであります。
 夕張市の財政運営につきまして、詳細は把握しておりませんが、新聞報道等によりますと、借入につきましては一会計年度を超えて借換等を行い、借入額が増大したとのことであります。
 しかし、
一時借入は借入を行った当該年度の歳入で償還することが原則であり、本市におきましては、そのように運用しているところであります。
 また、市債の残高が多額になっているとの報道もありましたが、市債の償還が財政運営の負担となるかどうかの判断の指標として、起債制限比率があり、これは市税等の一般財源の標準規模を示す標準財政規模に対する市債の元利償還額の比率であり、20%を超えると起債の許可が制限されてきましたが、16年度決算では、
本市の起債制限比率は13.1%であります。


<質問>
 次ぎに、第2次プログラム策定の進捗状況と今後のスケジュール、「期間・目的・視点・改革のプロセス」などの基本的考え方、パブリックコメント以外の市民意見や専門家などの意見の反映方法についてお答えください


<答弁>
 
推進機関については平成22年度当初までと考えており、基本的にこれまでのプログラムの視点を引き継ぎ、第7次総合計画を推進するため必要な財源確保などを含めて、取り組むべき事項などについて定めていく予定であります。
  このため、
平成15年度に行政改革懇談会からいただいた提言の内容等を踏まえるとともに、8月にパブリックコメントを実施し、9月中には決定してまいりたいと考えております。
 なお、策定作業においては、庁内横断的組織である行財政構造改革推進本部での協議を中心に進めることとしており、外部の専門家などから意見をいただくことは予定しておりませんがプログラムの具体的な取組を進める中で、必要に応じ、専門家の意見の反映などについても、検討してまいりたいと考えております。



<質問>
 
最後に「財政健全化プラン」は、第1次プログラム推進中の昨年、急遽、プログラムを財政的側面から補強するために作られましたが、第2次ではどのような位置づけになるのでしょうか。

<答弁>
 行財政改革推進プログラムにおける財政健全化プランの位置づけですが、行財政改革推進プログラムの財政面の取組を補強するものとして、改革の実効性を担保し、今後のまちづくりを進める上での財政基盤を確立する
取組の柱に位置づけているところであり、次期プログラムにおきましても同様の考え方に立っているところでございます。
 また、その性格上、財源確保の目標値を数値として示しながら、その目標の達成状況について毎年度の予算編成作業に直結する取組を進めていかなければならないことから、プログラムとの整合性を取りながらも
財源確保に特化したものとして別途、進行管理を行ってまいりたいと考えております。


財政についてお伺いします。

<質問>
 昨年7月に作成した「財政健全化プラン」の見通しがたった1年で狂い、平成18年度予算編成過程において、さらに17、6億も多く財源を確保しなければならない状況になりました。見通しが甘かったと言わざるを得ません。その要因はなんだったのかをお示しください。また、なんとか財源を確保し予算を組むことができホッとしたところですが、確保した財源の内訳をお示しください。

<答弁>
財政健全化プランと平成18年度予算において、財源不足額が収支見通しより増加した理由についてであります。
 これは主に
固定資産税の評価替え等に伴う税収の予想以上の落ち込みや、国勢調査人口の減少による地方交付税の減などによるものであります。
 これら財政健全化プランでの見通しを上回る財源不足額につきましては、公共事業等の延伸や補助金等の見直しなどの歳出削減、特定目的基金の取崩(長寿)などにより、当初の予定を約6億円程度上回る財源の確保を図るとともに、なお
不足した財源につきましては、財政調整基金・減債基金の取崩で1億8,000万円、行政改革推進債の上積みと退職手当債の発行で5億円、特定目的基金からの借入れにより5億円を充当したところであります。



<質問>
 10年後の行財政改革の達成目標と言える、重点目標10の成果目標「健全な財政運営によるまちづくりを行います」の中の「経常収支比率85%」と「市民一人当たりの市債残高50万円の根拠はなんですか。

<答弁>
 総合計画の重点目標の一つであります「健全な財政運営によるまちづくり」における成果指標についてであります。
 市民一人当たりの市債残高につきましては、
今後の毎年度の借入額を130億円以内に抑制した場合、平成27年度の市債残高は約1,750億円と推計され、人口を総合計画の推計である35万人といたしますと、市債残高は50万円となります。
 経常収支比率につきましては、現在の硬直化した財政状況を健全な方向に改善するための目標として、85%を設定したところであります。

 経常収支比率につきましては、市税の状況、地方交付税の見直しの状況など、経常一般財源がどの様な状況となるかはなど不透明な部分が多いことから、
明確にどの数値をどこまで抑制すれば達成できるという試算を行うことは困難でありますが、職員給与費や職員数の削減による人件費の減、市債の抑制による公債費の減などに、一定程度、下げることは可能であると考えておりますし、地域経済の活性化による市税収入の増につながる施策の検討、また、現在、財政健全化プランの見直し作業を行っておりますが、更なる内部管理経費の削減などにより目標数値を達成していきたいと考えております。



<質問>
 重点目標11「市民の負託に的確に応える行政運営によるまちづくりを行います」の成果目標「市役所に対して良い印象を持っている市民の割合50%」を達成するための基本的方向性の中に「まちづくり事務局である市役所の核は職員です。そのため、市民志向・成果志向・戦略志向の徹底を図るなど、職員の意識改革を推進します。」というのがありますが、これらを実行する具体的な方法はどのようなことですか。

<答弁>
 市民の負託に的確に応える行政運営の担い手は職員であり、市民からの信頼される職員の育成や能力の開発が求められております。
 人材育成基本方針の中で、「目指すべき職員像」や「職員に求められる能力」をお示ししているとおり、職員は徹底した意識改革が求められておりますし、又、信頼される組織づくりを進めるためには、職員の働く意欲や士気を高め、生き生きと働くことのできる職場環境の構築が必要であると考えております。
 このように、職員の意識改革を推進し、組織を活性化していくためには、例えば、
職員研修の充実より適切な人事配置、昇任管理、さらには公正性、納得性の高い人事評価制度の導入など、人材育成の視点を踏まえた人事諸制度の改革を、より積極的に進めていかなければなりません。
 こうした取組を進めることで、市役所全体の印象の向上につなげて参りたいと考えているところであります。


<質問>

 また、財政健全化プランでは、平成224月の職員数を3100人と設定していますが、どのような手法を用いて削減していくおつもりですか、お答えください。

<答弁>
  事務の整理統合や機械化、事務処理の効率化等を図るとともに、一方では業務量の増大に対応し、必要なものには必要な増員を行うなど、人員配置の適正化を基本に取り組んで参りたいと考えております。
  また、その中で定型的な業務、専門的な業務について、アウトソーシングの推進や嘱託職員の活用を図ることも重要な選択肢の一つと考えております。


<質問>
 子育て支援担当部長にお尋ねします。部長に与えられたミッションはなんだとお考えですか、また、そのミッションを果すためにどういうことを行っていくおつもりですか。

<答弁>
  本市におきましては、第7次総合計画の推進に当たり、少子化対策、子育て支援は市民の関心も高く、総合的な視点に立っての政策立案、事業展開ができる体制づくり、仕組みづくりが必要なことから配置されたものであります。
  したがいまして、大きな目標といたしましては、現在、保健福祉部、保健所、総務部、学校教育部、生涯学習部などがそれぞれ取り組んでおります、
子育てに関する各種施策の効率的な再配分、新たな組織体制について具体的な検討を行うこと、そのための全庁横断的なワーキンググループを立ち上げていかなければならないものと考えているところであります。
 

 1回目の最後に、性的マイノリティーの人権についてお伺いします。大部分は消化させましたので、2点に絞ってお尋ねします。

 まずは、「緊急時連絡先カード」について。「緊急時連絡先カード」は緊急時に本人の意識がない場合などに同性パートナーに連絡がいってほしいという願いから考え出されたものですが、家族以外の人への連絡を希望するのは、セクシャルマイノリティーの人ばかりでしょうか。家族がいない人やいても遠くにいる人で、近くにいる人と助け合って生きている人、DV被害者などで家族への連絡を望まない人、または、知的障害や精神障害などで連絡先を自分では明確に言えない人など、緊急時の連絡先を明記したカードを必要とする人は他にもいます。

 加えて、緊急時連絡先カードがセクシャルマイノリティーのためだけに作られたとしたら、果たしてそのカードは普及するでしょうか。同性愛者は人口の3〜10%いると言われ、私たちが考えている以上に多く、仮に3%としてもここ旭川にも約1万人はいると推定されますが、昨日の金谷議員の質疑の中にもあったように彼らに対する偏見や差別はいまだ強く、多くのセクシャルマイノリティーの方々はカミングアウトすることなく、隠して生きています。もしカードがセクシャルマイノリティーのためだけに作られたとしたら、それを持っていること自体でカミングアウトしているようなものです。そんな危険なことは誰も望まないでしょう。

 私は、当事者の方々とこの問題について検討し、彼らが今回求めていることの中で「緊急時連絡先カード」や「公営住宅の入居基準の改正」は、単に彼らセクシャルマイノリティーだけの問題ではなく、今後増えるであろう多様な形態の家族に対して、社会はどのように対応していくべきかという課題であることを確認し合いました。


<質問> 
さて、千葉県では、医師会と歯科医師会の協力の下、精神と知的障害者がスムーズに診療を受けることができるように、注意事項や連絡先などを書くことができる「受診サポート手帳」を作っています。本市の知的障害者の保護者団体から旭川市でもつくってくれるようにと要望が上がってきており、障害福祉課では作成に向けて検討中とのこと。ぜひこの手帳にユニバーサルデザインの考え方を取り
入れて、誰でも使えるものにして頂くことは出来ないでしょうか。見解をお示しください。

<答弁>
  ご質問の「受診サポート手帳」についてでありますが、知的障害者を利用対象にしており、本人が医療機関に受診の際、医師等に自分の意志を十文意伝えることが難しいことから、その対応についての「お願い」や「緊急連絡先」さらに「かかりつけ医療機関」などが記載されるのので、知的障害者の不安を解消し、安心安全を確保しようとするものであります。
  しかしながら、
こうした不安を持っているのは知的障害者だけではありませんので、様々な方にも対応し、広く利用できるものとする事を検討してまいりたいと考えております。



二回目

 
<質問>
 「受診サポート手帳」を様々な方が広く利用できるものにしていただけるとのこと、たいへんうれしく思います。そこでもし手帳またはカードができた場合、市立病院は本人の意識がない場合に、手帳またはカードに書いてある連絡先を本人の意志とし、尊重し、連絡していただけますか。お答えください。

<答弁>
 「緊急連絡先カード」についてでありますが、市立病院といたしましては、カードによって患者本人の意思が確認された場合は、その意思を尊重することが基本と考えております。その取扱いについては個々の状況に応じて判断しなければならないケースもあると認識しております。



<質問>
少子化が進む中、出生率を上げることも大切ですが、生まれた子どもが健やかに育つ環境を整備することが行政に求められています。そのための課題はたくさんありますが、まずは就学前の子どもの子育て支援の充実について、どのような問題意識を部長はお持ちですか、お答えください。

<答弁>
  就学前の子どもの子育て支援の充実についてですが、どの様な問題意識をもっているかについてでありますが、
  本市におきましては、第7次総合計画で「子どもを生み育てやすい環境の充実」を重点的な位置づけとしているところであり、その実現のためには、
保育所入所待機児童の解消と子育て家庭への支援施策の充実が喫緊の課題であると認識しております。
  したがいまして、これらの課題の解決のためには、保育所の入所定員拡大をはじめ、通年制保育園、幼稚園などの社会資源を有効に活用するとともに、育児サークルや子育てサロンへの活動支援など、保育所や幼稚園に通っていない児童を養育している家庭への子育て支援、さらには、企業の育児支援に対する誘導策等の検討などを進めていく必要があると考えております。



<質問>
 児童虐待や
DVなど問題を抱えた家族への支援は、子どもの健やかな成長を保障する上で非常に重要な課題であると思いますが、認識をお聞かせください。また、支援体制としての相談業務の現状と課題をどのように分析しておられますか、お示しください。

<答弁>
  児童虐待やDVなど問題を抱えた家族への支援は、たいへん重要なことと認識しております。現在、児童家庭課相談室につきましては、家庭児童相談員や女性相談員など計9名を配置しており、さらに本年4月には、相談業務を総括し、関係部局と連絡調整する正職員1名を増員したところであります。特に、家庭児童相談員と女性相談員は平成17年度にそれぞれ1名ずつ増員したことにより、今まで以上にきめ細やかな対応が出来るようになってきたと考えております。
  また、課題としましては、市民の方からも執務室について広いスペースと専用の相談ブースを確保出来ないものかとの声をいただいているところでありますし、相談件数が年々増加し、その内容も多岐にわたりますことから、
類似相談窓口との緊密な連携や相談員の資質の向上、さらには専門職員の育成や配置が課題であると認識しているところであります。

 行財政改革推進部長から、縷々お答え頂きましたが、かゆいところに手が届かないような、霞が掛かっているようなお答えで、一番聞きたかった「旭川市は自立した行財政構造へ転換できたのか」という疑問は、「見直しの視点を十分に意識しながら進めてきたし、プロセスは一定の効果があったが、十分に対応するには至っていない」という答弁は、プログラムが終了する現時点では自立した行財政構造への転換は図られなかった、だから、依然として「自立した行財政構造への転換」は次期プログラムの目的であると理解して良いのですね。とすると、次期プログラムが終了する平成22年度までに、一定程度自立した行財政構造へ転換するためには、何をしなければならないのかを考えるとき、今までと同じようなことをやっていては駄目だということが明らかになりました。

 次ぎに、10年後、すなわち今期総合計画が終了する時点での本市のあるべき姿=成果指標に向けて何をすべきかということを考えたいと思います。

 10年後の市民ひとり当たりの市債残高50万円の根拠が解りました。ファクターの一つである毎年度の借入れ額を130億円以内に抑えることが、重要なポイントであることも解りました。問題は、どうやって抑えるかです。

これから団塊の世代の退職金の手当に今以上に退職手当債を発行していかなければならない状況になることは必然と思われます。すると今以上に他のために使う借入額が減ると予想され、今でも先送りや期間延長などで発注を抑えている公共事業はより減少へと向かわざるを得ないことから、本当に市民にとって必要な事業の中からさらに優先順位を考えて絞っていかざるを得なくなるでしょう。

次ぎに、経常収支比率ですが、総合計画では、平成16年度の90,3%を平成27年度に85%にするとの目標を立てています。

今の答弁では「不透明な部分が多いので明確にどの数値をどこまで抑制すれば達成できるという試算は困難」とのお答えですが、明確な数値は無理でも、見通しは立てることが出来ると思います。

16年度の経常収支比率は、分母である経常一般財源が811億円、分子である経常費充当一般財源が732億円で、90,3%となっています。これを85%にするとしたら、経常一般財源を今より50億円増の861億円にするか、経常費充当一般財源を今より43億減の689億円にするか、どちらもほどよく増減するか。いずれにしてもたいへん厳しい状況であると言わざるを得ません。

経常収支比率の分母の一つである「市税収入」は、観光に力を入れようが移住定住に力を入れようが良くてそのまま、通常で行けば下がることは間違いないでしょう。理由は日本が低成長時代、少子高齢、人口減少社会に突入したからです。では、減少した分、国からのあらゆる意味での仕送りは増えるでしょうか。補助金が減って交付金が多少増えたにしても総体として、国からのお金は減っていきます。理由はここで述べるまでもありません。

では次ぎに、分子である「扶助費」は減るでしょうか。少子高齢社会に突入して、これから益々「児童に対する手当」や「高齢者に対する各種の給付や医療助成」などは減るわけがありませんし、また、減らして良いとも思えません。国保、介護保険、老健などへの繰出し金も同じです。物件費や維持補修費は今でもぎりぎり抑えているのが実状ですので、これ以上抑えることはむずかしいと言えますが、病院や水道への補助費はこれからも減らすことに向けて検討すべき項目です。公債費は、毎年度の借入額を130億円以下にすることで計算上では減少していくことになっています。

残るファクターは「人件費」です。「人件費」は、250人以上の職員削減や各種手当ての廃止、そして今年度から実施された基本給の一律カットなどによって、これまでもずいぶんと抑制されてきています。

これ以上の人件費抑制を職員削減で行うとしたら、あと何人削減しなければならなくなるのでしょうか。そんなに削減して、果たして市民サービスの質は維持できるのか不安になります。

<質問>
  先程、正職員数の抑制も期待して再任用制度の凍結を解除する予定とお聞きしました。解除の理由、再任用の処遇、採用者の選択の基準と採用数についてお答えください。

<答弁>
 
再任用制度につきましては、平成15年度から運用を凍結しておりましたが、
 昨年6月に「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」の一部が改正され、今年4月から、事業主は、高齢者の継続雇用についての制度の導入が義務化されたことなど、高齢者の雇用に関する社会環境が変化したことや、団塊の世代が大量に退職する際に、
再任用制度を有効に活用することで、新規職員の採用を平準化できること、従来の人件費コストに比べ低コストで知識と経験を有する職員を雇用できることなどを、総合的に勘案し、来年度から再任用制度の運用を再会する予定であります。
 また、その際の処遇・採用者の選択基準・採用数でありますが、勤務時間は、
通常の職員の勤務時間の5分の4である、週31時間を基本とし、給与につきましては、行政職給料表適用者であれば、月額19万円程度、年額で270万程度を予定しております。
 採用者の選択基準でありますが、退職予定者の中で、
働く意欲と能力がある者の中から、従前の勤務実績等に基づく選考により採用することとしており、
 採用数につきましては、新規採用者を一定程度確保することや
各職場の状況などを配慮し決定していかなければならないものと考えております。



<質問>
 また、組織維持にとって一定程度の新規採用は必要不可欠であることから、再任用はあくまでも調整弁と考え、再任用ありきであるべきではないと考えますが如何ですか。

<答弁>
 新規採用と再任用との関係についてでありますが、市内の雇用状況が厳しい中、雇用の確保の観点や職員の年齢構成の平準化という点で、一定数の新規職員を毎年採用していくことが必要と考えております。
 したがいまして、再任用を希望する職員のすべてを採用するということではなく、職位の意欲と能力や、各職場での業務の状況などを総合的に判断し、毎年の要員計画の中で、
新規採用職員を一定程度採用しながら、再任用職員を柔軟に活用し、効率的な行政運営に努めて参りたいと考えております。

 
 重点目標11を達成するためには、「人材育成の視点を踏まえた人事諸制度の改革をより積極的に進めていかなければならない」との認識を伺いました。全くそのとりだと思います。

ただ単に「愛想がいい、親切だ」ということだけで職員や市役所に対する市民の好感度があがるというものではありません。少ない財源でより効率的、効果的に施策を展開するために「税をはじめとする市民の負担によりまちづくりが行われているという原則を認識」し、使命感をしっかり持って市民のために一生懸命働く職員の姿が示されて、初めて「市役所に対してよい印象を持つ」のです。

そのような意欲のある職員を今以上にたくさん育成することこそが、市民の付託に的確に答える行政運営のカギであると私は思います。そのための基本的方針が「新人材育成基本方針」ですから、そこに書かれている「人事諸制度」の改革は重要かつ喫緊の課題であるといえます。しかしながら、その進捗状況は人事評価の試行が始まったばかりでほとんどの項目が検討さえなされていません。


<質問>
 次期プログラムにおいてこれら人事諸制度の各項目を重要な取組み課題として明確に位置付け、早急に検討すべきと考えますが、いかがですか。

<答弁>
 現状では、見直しに係わる要素調査がなされている段階ではありますが、ご指摘のように、「人材育成基本方針」の中では、採用試験の見直し、多様な勤務形態等の検討、適切な人事評価・昇任管理・人事配置などを基本的方策として掲げており、このような項目については、第2次行政改革推進プログラム(仮称)の取組要素として位置づける必要があるものと考えております。 


    



三回目

 

 緊急時連絡先の機能を有するものを市が作ること、そして市立病院がそれを尊重する考えを示したことなど、当事者の声に耳を傾けて取り組んで頂けることに当事者のみなさま方はどれだけ励まされることか。これらの問題に無関心で冷たい自治体や議会も多いと聞いています。本市の人権に配慮したこれらの取組みに感謝申し上げると共に、今後も他都市を牽引すべく、積極的に取り組んでいただけますよう心からお願いいたします。

問題を抱えた子どもや女性を支援している保健士や相談に関わる職員が職責以上に頑張っていることについて、たいへん評価するとともに、潤滑に仕事ができる体制づくりのために応援したいと思っています。

さて、問題を抱えている家族への支援の最初のきっかけは、相談窓口へのアクセスです。市民にとって、どこに相談すれば良いのかが一目瞭然に判りやすいことがとても大切です。市民にとって判りやすい相談窓口を設置し、アクセスしやすくすることは、問題を顕在化し、深刻化を防ぎ、早期解決を促します。

 

<質問>
窓口の一本化は、相談員の資質の向上、専門職員の育成や配置と合わせて、以前から女性団体などから何度も要望が出されている課題です。単なる相談業務の連携強化ではなく、窓口の一本化を次期プログラムの課題として明記すべきと思いますがいかがですか。

<答弁>
 分かりやすい相談窓口の再構築についてでありますが、
 現在、本市においては、子ども・青少年・女性に関する悩みをはじめ、市民からの様々な悩みに対して、その相談内容に応じた窓口を設け、対応しているところであります。
 子どもや女性に関しての悩み、相談については、相談内容でどこに相談すればよいのか一目で分かるようなチラシを作成して広く周知しているほか、児童家庭課と生活交流課の職員及び相談員が定期的に会議を開催し、連携のあり方などの協議を通して、円滑に相談ができる体制づくりを進めているところであります。 
 さらに、
「児童家庭課相談室と市民相談センターとが一体となった総合相談窓口創設の検討」を第2次行財政改革推進プログラムの策定等に係わる要素としたところであり、今後におきましては、スペースの問題を含めて課題を明確にし、相談者にとってより分かりやすく、利用しやすい相談窓口の体制づくり・仕組みづくりについて、関係部局と協議し、検討していくことが必要であると考えております。

窓口の一本化については、場所の確保が大きな課題と聞いています。市は総合計画によるまちづくりを進めるための組織改変を行う予定と伺っていますが、組織改変には場所の移動がつきものです。また、消防の指令機能の移転や市民課における戸籍の電算化による新たなスペースの発生、加えて選管や旭川振興公社、国際交流課は現在地でなければならないのかなど、相談窓口の一本化のための場所の確保に向けて全庁的に検討すべきであることを強く強く指摘させていただきます。

再任用についてお答え頂きました。再任用は効果的な行政運営のために、知識と経験を有する退職職員を即戦力として任用するということを確認させていただきます。くれぐれも再任用ありきであるべきでないことを再度指摘しておきます。

良質な行政サービスには、ある一定程の人手は必要なはずです。市の職員は暇そうだ、もっと減らすべきだと市民は全ての職員を総じてそう言いますが、夜の910時まで、時にはそれ以上に働いている部署があり、恒常的に人手が足りない部署もあり、一概に数を減らせば良いという問題ではありません。

また、業務のアウトソーシングを推進していけば、正規の職員数は減少しますが、「無秩序、無差別な官から民へ」は、市民サービスの低下を招きかねません。どの業務をアウトソーシングすべきかは効率の面からばかりでなく、より良いサービスの提供という効果の面からも十分検討した上で実行すべきであり、そのためには広く市民の意見を聞きながら進めていかなければならない課題であると思います。

加えて、平成16年度決算による市町村財政比較分析表によると、定員管理の適性度である人口1,000人当たりの職員数は本市の場合6.8人であり、他の類似団体の平均7,23人を下回っています。

市は、今後100人の職員削減を行う考えですが、果たしてそれだけで10年後の目標である経常収支比率85%を達成できるのでしょうか。私は出来ないと思います。

このように考えてくると、自治労の代表も加わり、学識経験者や人事委員会の代表、経済界や地方自治体の長も加わった「地方公務員の給与のあり方に関する研究会」が指摘しているように、年功序列型の給与上昇の抑制と職務・責任に応じた給料表構造への転換、勤務実績の給与への反映、地域民間給与水準のより的確な反映など、抜本的な給与構造の改革を行うことが早急に求められているのではないでしょうか。


<質問>
 何度も言いますが、今までのようなやり方では、今後の財政健全化は望めないということをしっかり認識し、新しい任用制度の検討も含め、研究会が指摘している給与構造の抜本的改革、並びに新人材育成基本方針が示している人事管理の課題に早急に取り組むことが次期の行財政改革の最重要課題と思いますが、市長はどのようにお考えですか、見解をお示しください。

 また、本市に合った制度設計となるよう、労働界も含めた各界代表による職員制度再構築のための審議会を設置すべきと考えますが、如何ですか。

 このような厳しい時代に、見直さなければならないのは、職員制度のみではありません。議員のあり方も問われてくるでしょう。市民の考えも変って頂かなくてはなりません。どちらも今までそうだったからという既得権にしがみつくことは許されなくなるでしょう。少ない行政資源を最適に配分するためには、まだ残っているバラマキ事業の整理や補完性の原理による事業の見直しなどを行い、市民へのサービスを整理していかなければなりません。その時、どの事業を整理するのか、廃止するのかは市民自身が決めるべきです。そのための市長の諮問機関を設置すべきと思いますが、いかがですか。


<答弁>
 人事制度及び財政健全化に付いての課題認識についてでございますが、
 まちづくりを進める上で、具体的な施策の推進に当たっては、人材と財源が大きな要素となりますことから、
職員の処遇に関する様々な制度の見直しや財政健全化の議論は、大変重要な課題であると認識をしているところであり、議員のご指摘を重く受けとめております。
 また、これらの課題を取り扱う諮問機関を設置すべきとのご質問でございますが、これまでも、行財政改革や新たな人事評価制度の導入などに積極的に取り組んでまいりましたが、これらの取組の中で、行政評価委員会での議論や専門家をはじめ市民のみなさんの意見をいただいてきております。
 ご質問の人事制度・財政問題全般にわたる諮問機関の設置につきましては、人事制度は関係法令や給与制度に関する国の動向なども踏まえる必要がありますし、また、事業の見直しについては、新たに設置いたしました。
 総合計画推進委員会や、今後予定している補助金評価の為の外部委員会をはじめ、各行政分野ごとに設置している付属機関との整合性なども含めて判断しなければならないものと考えており、今後、御提言の主旨も踏まえながら、その
設置の可能性を含めて検討してまいりたいと考えております。

 
 最後に、ここには現市長と市長を目指すおつもりの方がおられますが、だれが市長になろうと、この財政問題から逃げるわけにはいきません。きびしい現実を直視して、勇気と英断を持って大胆に改革し、市民と共に自治体再構築へ向かっていかなければ、旭川の夕張化は免れることはできないと述べて一般質問を終わります。