2005年3月24日
−議員の期末手当に関する条例改正についての意見開陳−
「旭川市議会の議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例の制定」について、反対の立場から意見を述べます。
まずはじめに、今回の改正に当って「予算の範囲内で別に定める。」という曖昧な支給規定を、数値を明らかにすることによって透明性を高めるという主旨には賛成である旨をお伝えいたします。しかしながら議案に示された数値や内容について、納得できませんので今回の改正案には賛成できかねます。以下、理由を述べます。
1,職務加算について
今回の改正案には、「報酬の月額に100分の20を乗じて」と職務加算に準じた上乗せが示されています。
職務加算とは、平成2年8月の人事院による「賞与等の特別給に関しては、民間企業との差異が認められることから、民間の特別給の支給状況を踏まえ、係長職以上の職員について職務段階等を基本とした加算措置を講ずる必要がある。」という公務員給与改定の勧告によって、旭川市でも取り入れられた制度です。
この時期はバブル経済の絶頂期を向え、民間企業の給与は鰻登りに登っていた時期であり、公務に有為の人材を確保するためには初任給基準の改正を行う必要があり、これに伴い、在職者について調整を行う必要がでてきました。そこで、期末手当支給時に、職務に応じて20%を上限として傾斜配分することが勧告されました。旭川市では、現在、部長職以上64名が20%加算の対象となっています。
今回の改正案では、「議員はその役職から市の一般職の最も高い20%を適用する。」として、20%を加算していますが、バブル経済が破綻し、民間の企業における給与は伸び悩んでいるどころか減額し続けている今、市の職員が加算されているからと言って、なんの議論もなく加算して良いとは思えません。また、言うまでもなく、市議会議員は争議権等の労働基本権を制約されている公務員とは立場や身分が異なることから、人事院の勧告を受ける必要は全くありません。
近年の地方自治体財政の厳しさを鑑み、直近の例で言えば愛別町のように自ら職務加算の廃止を提案する議会も少なくありません。道内34市中、職務加算を廃止した市は、士別市、名寄市など8市あり、留萌市は平成17年度は凍結としています。
旭川市も他都市同様、大変きびしい財政状況となっています。こんな時こそ、議員が率先して自らの既得権を放棄し、市の財政に寄与すべきではないかと私は考えます。議員がまず範を示すことで、職員も市民も財政難の痛みを分かち合うことに納得し協力するのではないでしょうか。支給する理由が曖昧な加算を今までもそうだったからという理由で付加することに、市民の理解が得られるとは到底思えません。
以上のことから、20%の職務加算については、数値化するこの機会にしっかりとした議論を行うべきであり、早急にまた安易に慣例に従って20%とすることには賛成いたしかねます。
2,支給割合4.4ヶ月について
次ぎに、改正案では支給割合年4.4ヶ月となっていますが、こちらは、市の一般職4.4ヶ月に準じてという提案説明をお聞きしていましたが、現在旭川市は、平成15年度から、市長他7名の特別職は、行財政改革の一環として財政事情の悪化から当分の間、4.1ヶ月への削減を実施しています。
もし仮に職務加算を職務の重さに鑑みて最も高い20%とするのなら、なぜこちらは一般職と同じ割合の4.4になるのか、整合性があるとは思えません。
3,支給制限、支給差し止め規定について
市の職員の給与に関する条例には、「刑事事件に関し禁錮以上の刑に処せられたものには、期末手当の支給をしない。」ことや「刑事事件に関して起訴をされたり、逮捕されたりした場合には、支給を一時差し止めることができる。」という規定があります。
議員といえども、いや、議員であるからこそ、このような時には差し止めや支給制限をすべきと考えます。他のことは市職員に準ずるとしながら、この規定に関しては明記しないということについても整合性や妥当性があるとは思えません。
今回、条例の改正が議会改革の一環として議会運営委員会で取り上げられてから、議員の報酬とは何か、ということをあらためて考えてみました。
私は、現状の議会制度のままでは、議員はボランティアでやるべきだという考え方は現実的ではないと思っています。旭川市のように議決課題が多い自治体では、きちんと生活できる報酬が保障されてこそ、しっかりした議員活動ができるものと考えています。また、旭川市議会議員の報酬が同程度の他都市と比べて高い方ではないこと、年収では市職員の課長職以下であることも認識しています。
よって、今回の改正案に私が反対する理由は単に額が多い少ないという問題ではありません。
一つには、何かを基準に数値化するとしたなら、整合性や妥当性がきちんと説明できなければならないにもかかわらず、そのようになっていないこと。
二つ目には、改正案について、公の場での議論を十分に尽くすべきとご提案いたしましたが、議論は尽くされたとして、改選後の議会では正規の委員会での議論や市民による議論を全く経ずに、改正案が提出されたことは誠に遺憾であるからです。
議員の報酬は一体誰が決めるのでしょう。法律では、条例の議決権を持っている議員が決めることができるようになっていますが、本来は、市民こそが議員の報酬を決定することができるのではないでしょうか。市には、市長が勝手に報酬を決めることができないように「特別職報酬等審議会」というものが設置されています。この審議会は市長の諮問を受けての開催であり議員が開催することはできませんが、これに準じた検討委員会またはもっと気楽に意見交換会などを開いて、市民との合意形成を図かることもできたはずです。せっかく、曖昧だった条例文を数値化し明確にするのであれば、そういう丁寧な議論を踏まえるべきであり、議論未熟と考えます。十分な議論を踏まえ、整合性や妥当性のある数値とすべきであると考えます。よって改正案には賛成できません。
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